禁煙日記 14日目(2回目)

 

あのですね。喫煙したいという気持ちがあまり湧かないのです。おそらくですが、禁煙の誓いを破ってまで吸ったアメスピオレンジが然程おいしく感ぜられなかったからだと思われます。あと数日で禁煙を終えることができるという時分になった今、このように喫煙欲が薄れるとはなんたる喜劇。否、悲劇。禁煙を成功させたい方は2週間ほど禁煙したのちに、タール値の低い煙草を1本吸ってみるといい。煙草の旨みよりも罪悪感の方が勝れば、その後の禁煙は上手くゆくでしょう。なるほど、1mgの煙草なぞ何のために存在するのかと常々疑問でありましたが、禁煙するためでしたか。

 

そうそう、軽い煙草といえば、宮部みゆきの『模倣犯』を思い出します。小学校高学年のときに読み、非常な衝撃を受けた覚えがあります。おそらく生まれてはじめて読んだ胸糞小説でした。世の中には絶対悪というものがあるということを知りました。また、物事には「裏」があるということもこの小説から学びました。軽い煙草を吸っている人を見かけると、登場人物のひとりを思い出して涙目になってしまいます。以前間違えて軽い煙草を買ってしまったときは違う意味で涙目になりました。

 

模倣犯 (上)

模倣犯 (上)

 

読み終わったあと、この表紙と同じ体勢でしばらく虚空を眺めた記憶があります。