禁煙日記 16日目

昨日あたりから心臓がバクバクして手足の震えが止まらないのだが、それは明日に大学院入試の一次試験があるからで、さらには落ちる可能性が非常に高いからであり、こういうときには煙草を吸って落ち着きたいのだが、禁煙中であるため吸うわけにもいかないし…

禁煙日記 15日目

今日はパス!たぶん明日も。昨日あんな宣言をしたくせにね。というのも「禁煙日記」を書くのに毎日それなりの時間を費やしているのだが、院試が明後日に迫り、記事を書いている暇がないからである。しかしやっぱり明日は明日で院試に対する諦めがついて何か…

禁煙日記 14日目

昨日の記事に「このふたり結局付き合ったんだ」というような反応をしている方を見かけたが、そうです付き合ったんです。その過程をエッセイ風に書いたものと、短歌と感想のやり取りを含めた本を作ったんです。紙版はありがたいことに売り切れましたが、PDF版…

禁煙日記 13日目

煙草。円柱。恵方巻き。節分。節分といえば、昨年の節分は恋人になる前の恋人と一緒に恵方巻きを作って食べた。ぼくの実家で、ぼくの母親と一緒に。 ぼくは前頭葉が未発達であるせいで衝動に身を任せてしまうことが多々あり、恋人になる前の恋人をなぜ実家に…

禁煙日記 12日目

バーガーキング秋葉原昭和通り店がマクドナルド秋葉原昭和通り店の閉店日に掲げた垂れ幕の文言を縦読みするとマクドナルドを煽る文になっていたということが、つい最近話題になっていたと思う。それに対して賛否両論があるようだが、企業同士の煽り合いとい…

禁煙日記 11日目

煙草を吸いたくなるたびに口角を横に引っ張っていたらずっと微笑んでるような顔になった。心的に辛いのだが、それにも関わらず笑いが表れる。『ジョーカー』を思い出す。以前コンビニの前で煙草を吸っていたら窓際に陳列された雑誌の裏表紙に『ジョーカー』…

禁煙日記 10日目

しんどい。いま辞書で調べたら「しんどい」は「しんど」という名詞・形容動詞を形容詞化したもので、その「しんど」というのは「心労」から転じたのではないかということだ。関西地方でよく用いられると書かれていたが、もしかして関東の人は「しんどい」と…

禁煙日記 9日目

ニキビができた。しかも耳のうえ、ちょうど眼鏡の蔓が触れる部分にできたのだ。眼鏡を掛けると痛い。煙草を吸うとニキビができるというならば、煙草を吸わなければニキビが減るという仕組みにしていただかないと困る。こっちはそういう期待も抱いて禁煙に勤…

禁煙日記 8日目

ニコチンもネタも切れた。そもそもどちらも初日から切れているが。 ネタといえば、バイト先の個別指導塾で高校2年生に古文を教えているときに「この『べし』の主語は一人称だから『意志』の用法で『オレはやるぞ〜』って感じだよ」と拳を振り上げながら言っ…

禁煙日記 7日目

1週間禁煙したのだからご褒美として喫煙してもいいはずだ。と思ったがまだ1週間禁煙したわけではないことに気がついたので喫煙せずに済んだ。 大学は期末試験の時期であり今日もひとつ試験があったわけだがウンウンと唸りながらもなんとか終わらせて外に出て…

禁煙日記 5日目〜6日目

5日目 ひさしぶりに恋人と会った。禁煙を始めたことを告げて「まだ5日目なんですけど」と付け加えると、「もう5日目なの!? すごい!」と言われた。そんなことを言う恋人は実は禁煙の先輩であり、服用している薬との兼ね合いで数ヶ月禁煙を続けている。恋人…

禁煙日記 4日目

夢を見た。何かに腰掛け、膝を立てながら煙草を吸っている自分の姿を少し斜め下から見た。いつもは夢の内容どころかそれを見たことすらもまったく覚えていないのだが、なぜ今回は頭に残っているのかといえば、この夢に元ネタがあるからだろう。『パラサイト …

禁煙日記 3日目

ここ数日は目覚まし時計の音で7時に目を開けるが、一度まばたきをすると8時半であるというような朝を過ごしていたが、今日は割方すっきりと目覚めた。もしかすると禁煙の効果なのだろうか。おそらくそんなことはなく、というのも、今までも1ヶ月に2、3日はす…

禁煙日記 2日目

朝から「煙草が吸いたーい」という気持ちで一杯だった。そんな状態でみなみ会館に『アンナ』を観に行った。劇中でみんなが煙草を旨そうに吸いまくるので、観ているあいだずっと口をもぞもぞさせてしまった。禁煙中に一昔前の映画(フランス映画に限らず)を…

禁煙日記 1日目

改めまして禁煙初日。結論から述べると禁煙に成功することができた。しかし、やはり頭の片隅から常に「煙草!」と呼びかけてくる細胞がおり、何事にも集中できない。また、飴とチョコレートを摂取し過ぎたのか、一夜にしてニキビが増えた。ニキビは漢字で書…

禁煙日記 マイナス1日目〜0日目

マイナス1日目 実は約1ヶ月後に入院・手術を控えているのだが、今週の月曜日(2020年1月20日)に病院で入院前の説明を受けた際、「手術に影響が出るので、今すぐ禁煙してください。喫煙した場合、手術が延期になる可能性もあります」と言われたので、禁煙す…

「アーケード」

恋人が、見た夢について話してくれたので文章にしました。 だだっ広い公園にいる。砂地の周りに芝と木が生えているのが見える。遊具はない。公園ではないのかもしれない。遊具はないが、目の前に石でできた階段がある。一段一段が高く、上がるのに苦労する。…

本を出します!!!!!

〔2023年11月24日追記〕 増補版を出しました!!! con2469.hatenablog.com 〔追記おわり〕 今年の1月と2月に公開した の完全版を制作しました!!!!!『四百センチ毎秒の恋』という題名です。 表紙はこちら 以下より買えます! 完全版ということで、ぼく…

補遺:ミシェル・ウエルベック "(C'est comme une veine qui court sous la peau)" 訳と解釈

この記事は、「カモガワGブックス vol.1 非英語圏文学特集」に西村トルソー名義で寄稿した「恋愛資本主義社会のミシェル・ウエルベックーー革命、闘争、中断/静止」の補遺です。この記事は単体で完結していますが、本誌と合わせてお読みいただくとさらにお…

分かりやすさに抗って|大前粟生『私と鰐と妹の部屋』読んだこと考えたこと

大前粟生による奇妙奇天烈な53の短い物語がぼくの心に響くのは、それらの物語が「分からない」ことを受け止めてくれるからだと思う。 奇妙奇天烈な物語というのは、絶景を見たときの感覚と同じものを読者に与えることが多い。表されるもの、目に見える外的な…

なぜ初デートで映画を観にいくのか|アラン・バディウ『愛の世紀』読んだこと考えたこと

恋愛的に気になる人を初めてデート*1に誘うとき、映画を観にいくことが頻繁に選ばれているように感じます。しかし、なぜ映画なのでしょうか。せっかく初めてふたりきりで出かけるのに、大抵の場合2時間ほどは沈黙を強いられる映画を観るという行為がなぜ選ば…

ぼくをふった女の子とふたりで台湾(高雄・台北)で食べたものたち

関連記事前編 con2469.hatenablog.com 関連記事後編 con2469.hatenablog.com この前の記事で書いたようにぼくのことをふった女の子とふたりで台湾に行ってきたので、そこで食べたものを時系列順に紹介していこうと思います。4泊5日。高雄、台北、高雄の順で…

告白したらふられたので「その女の子のことを想って過去に作った短歌から選んだ158首」を紙に印刷して本人に渡したら1首ずつ感想をくれた話【後篇】

本になりました! con2469.hatenablog.com 本記事は後篇です。未読の方は上のリンクから前篇を読んでください。既読の方も復習してからどうぞ。 導入 取 ラブレターです。(158首が印刷されたA4用紙9枚を手渡す)K えっ、重い……。取 (さすがにKさんでも嫌が…

告白したらふられたので「その女の子のことを想って過去に作った短歌から選んだ158首」を紙に印刷して本人に渡したら1首ずつ感想をくれた話【前篇】

本になりました! 前置き 実は、ぼくは一昨年の年末から「西村取想」という名前で短歌を作り、毎日1首以上をTwitterに投稿しています。 twitter.com 今回はその短歌にまつわる話です。 1ヶ月前に1年半ほど片想いをしていた女の子に告白をしたらふられました…

ジャン=リュック・ナンシー『恋愛について』読んだこと考えたこと

どうして人は好きな人に「好きだ」と伝えるのでしょうか。永遠に片想いをしている方が傷付かないでいられるのに。どうして恋人たちは手を繋いで歩くのでしょうか。歩きにくいと思うのですが。そんな風に恋愛に関して分からないことばかりだったぼくはひょん…

栗原康・白石嘉治『文明の恐怖に直面したら読む本』読んだこと考えたこと

本書は政治学者でアナキストの栗原康と仏文学者でアナキストの白石嘉治との対談本である。栗原康は伊藤野枝や一遍上人、大杉栄の伝記で知られ、白石嘉治は以前から大学無償化やベーシックインカムの導入を主張している人物である。そんなふたりの対談本は、…

Michel Houellebecq "HYPERMARCHÉ – NOVEMBRE" を訳してみた

HYPERMARCHÉ – NOVEMBRE Michel Houellebecq D’abord j’ai trébuché dans un congélateur, J’me suis mis à pleurer et j’avais un peu peur Quelqu’un a grommelé que je cassais l’ambiance, Pour avoir l’air normal j’ai repris mon avance. Des banlieu…

柿村将彦『隣のずこずこ』読んだこと考えたこと

ハイデガーが言うには、人は自らの死を自覚し、死までの期間を自分の使命を全うすることに費やす決意をすることで実存の本来性に目覚めることができるらしい。そして、死への存在として自分の道を生きていくことが大切であるらしい。自覚の仕方にも色々とあ…

九螺ささら『神様の住所』読んだこと考えたこと

以前、寺山修司の対談集を読んでいたら寺山が頻繁に、作者は世界の半分を提示し読者が半分を想像力で補完して世界の円環構造が完成するような短歌が一番良い、というようなことを述べていた。同じ対談集で寺山は、人間は不連続で部分的な存在であると述べて…

Michel Houellebecq "UNE SENSATION DE FROID" を訳してみた

Unreconciled: Poems 1991?2013 作者: Michel Houellebecq 出版社/メーカー: Cornerstone Digital 発売日: 2017/01/12 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る UNE SENSATION DE FROID Michel Houellebecq Le matin était clair et absolument beau;…