禁煙日記 11日目

 

煙草を吸いたくなるたびに口角を横に引っ張っていたらずっと微笑んでるような顔になった。心的に辛いのだが、それにも関わらず笑いが表れる。『ジョーカー』を思い出す。以前コンビニの前で煙草を吸っていたら窓際に陳列された雑誌の裏表紙に『ジョーカー』の円盤発売の広告が載っていたのだが、そのキャッチコピーが確か「極上のエンターテインメント」だったのでむせてしまったことがある。そうかそうかきみにとっては「エンターテインメント」なのか。ちなみに「エンターテインメント」を大辞林で調べると「人を楽しませるもの。楽しむためのもの。娯楽」と載っていた。なるほど。

 

『ジョーカー』は、喫煙シーンの喫煙勧誘度が非常に高い映画として有名だが(?)、数ある喫煙シーンのなかでいちばん印象に残っているものは、自分の通う公立の診療所が閉鎖すると聞かされたときにアーサーの煙草から灰が落ちるショットである。煙草がゴッサムシティあるいは資本主義社会であって、それは自らを燃やして生きている。そうして生まれた灰=弱者は社会の負担になると切り落とされる。ということがあのワンショットだけで象徴的にズバッと表されていると思う。

 

というような話などを「しどけ梨太郎」というFilmarksのアカウントでしている。友人が陰で「観ている映画の趣味は良い。感想コメントは良くない」と言っていたそうだ(あれ? 直接言われた気もする)がまったくその通りだと思うので、ぼくの感想は気にせずに、単なる作品リストとして覗いてみてはいかがだろうか。